心理的瑕疵物件付き 売買物件(その2)

心理的瑕疵物件のある・売買物件(その2

 

二次流通(一般顧客)市場


二次流通市場は、業者が一般の顧客に供給する市場です。

従来は特定の業者が自殺や焼死物件を相当に減額して取得し、暫定利用するケースが多かったのですが、最近では、一般顧客を対象にインターネットで「訳あり物件」「事故物件」といったカテゴリーで仲介する業者が現れてきました。しかし依然としてその数は市場ではまだまだ少数派です。

 

二次流通市場に提供される物件は、一次流通市場で業者が買い取った物件が多く、心理的瑕疵の程度が軽い物件は親族が仲介に出す場合もあります。

 

心理的瑕疵物件の売り出し価格と減価率のデーターを簡単に掲載してみます。



事例1. 種別:更地 所在:岡山県浅口市 土地219㎡ 

瑕疵要因13年前自殺 売り出し価格:3400万円 減価率:-60% 。

 

13年前に自殺があった物件で、売り出し希望価格が半値以下であっても買手がつかないものです。建物は取り壊されて業者が更地で所有しているものと思われ、一般顧客を対象に売り出されていますが、地方では心理的瑕疵、特に自殺は強く意識されていえます。

 


事例2. 種別:更地 所在:神奈川県・横須賀市 規模:土地123

瑕疵要因:平成19年火災で2名死亡 売り出し価格:2900万円 減価率:-75

6年前に火災で死亡事案があった物件で、建物は取り壊されたのち業者が更地で所有していると思われます。売り出し価格は時価の75%減という破格の値段ではありますが、周辺は戸建て住宅地域であるので、一般顧客からは敬遠されていると思われます。

 


事例3. 種別:マンション 所在:兵庫県・神戸市 規模:専有面積:45

瑕疵要因:平成22年自殺 売り出し価格:3200万円 減価率:-55

マンション内の自殺物件で半値程度で一般顧客市場に売り出されています。事件から3年経過していますが、なかなか買手が現れない現状です。中古マンションは周辺にも多くあるので、こちらの物件は敬遠されているように思えます。

 


事例4. 種別:戸建て 所在:大阪府・堺市 規模:土地:145㎡ 建物:104

瑕疵要因:平成25年自殺 売り出し価格:11000万円 減価率:-50

本件は住宅地にあります。家族が自殺、その子供が売主となって一般顧客に売却した物件であり、平成10年新築で築浅です。売り出し価格は建物込みで時価相場の半額であり、建物価格はほとんど含まれていません。売り出し希望価格に近い価格で1年足らずで売買が成功しています。仲介担当者によれば、買主は心理的瑕疵を気にしていない様子だったとのことです。

 


事例12は、業者が買い取り建物を取り壊して更地にして二次流通市場に提供している物件です。事故発生時点を見ると、13年前とか6年前とあるように相当年数が経ってもまだ売却されていません。これは、売り出し価格の問題ではなく、やはり心理的瑕疵が強く影響していると見るべきでしょう。

 

売り出し価格は、保有する業者の希望価格であって、実際の成約価格は売り出し希望価格の9割程度といわれます。しかし、心理的瑕疵物件は、売り出し希望価格に心理的瑕疵の程度が売買に影響してきます。自殺や他殺の事情が地域の住人に広く知られ忌み嫌われるような場合には、売り出し価格が時価の25%程度であっても買い手が現れない場合もあります。

 

売り出し価格は、減価率が時価相場の2075と幅がありますが、大体45割程度です。

 



同じカテゴリー(お困り物件)の記事

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。