農地を売りたい(その2)

農地を売りたい(その2

 

農地売買の大まかな流れ

どのような農地売買でも、売買契約は農業委員会の許可を前提として締結されます。

 

農地として売るなら  農地法3による売買(所有権移転)許可、

農地以外で売るなら  農地法5による転用許可です(届出の場合もあります)

農地売買では、通常の不動産取引ではあまりない、「仮登記」を行うのが通常です

 


登記までの流れ

1.許可を条件とした売買契約を締結

2.農業委員会に許可申請

 農地として売る  農地法第3条 売買(所有権移転)許可申請

 農地以外で売る  農業法第5条 転用許可申請

3.許可前に所有権移転請求権  仮登記

4.許可後に代金支払いと所有権移転登記  本登記

 

 

2.の農業委員会への許可申請と、3.の仮登記は、順番が前後することに問題はなく、どちらも売買契約締結後、遅滞なく行う条項を1.の売買契約書に盛り込みます。

3.仮登記は、売買契約の絶対条件ではないですが、4.の許可までは、買主が所有権を得られないために、買主による将来の確実な所有権移転を保全する目的で行われます。

許可されると、農業委員会から許可指令書が交付されます。許可指令書がなければ農地の所有権移転登記は受け付けてもらえません。

許可のない違法な所有権移転を防ぐために、このような仕組みになっています。

 


農業委員会で不許可になった場合

売買許可または転用許可は、必ずしも許可されるとは限らないため、農地の売買契約書では、不許可になった場合の条項も定めておきます。

不許可になった場合は、売買契約が許可を前提としている性質上、当事者からの申し入れがなくても、当然に売買契約が失効して違約金も通常発生しません。手付金においても、不許可であればそのまま返還される、いわゆる白紙解除です。

但し、不許可を理由としない一方の都合による解約では、一般的な不動産取引と同様に、買主の手付金放棄または売主の手付金倍返しになります。

 

 

農地売買の手数料

農地として売る場合、個人間売買や農業関連機関の斡旋を利用する形態が主で、手数料は登記費用(登録免許税や司法書士報酬)くらいしか発生しません。

転用による売買では、不動産会社に仲介依頼する場合仲介手数料が掛かります。その他、登記費用等も勿論掛かります。

登記については、買主負担となる商習慣から、売主の負担は殆ど発生しませんが、費用負担は売買契約によって定められるので、売主負担になることもあります。

 


農地転用が可能かどうかを知りたければ、農業委員会に確認して見るのが確実です。
又、売買や転用には農業委員会の許可が必要で、許可されるまでには1ヶ月程度(届出による場合は10日程度)要するため、手間も時間もかける覚悟は必要です。

 

本来、農地は食料自給率低下を防ぐため、勝手に他の用途で使う事は、売却貸地が許されていません。しかし、少子高齢化の時代です。農家の子が農業を継ぐこと事態が少なくなり、相続で手にした農地を使う事なく放置しては耕作放棄地として問題となっています。そんな時代の変化に伴って、立地によっては住居用に転用し売却できる場合もあります。



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