農地を売りたい(その1)

農地を売りたい(その1

農地は、自給自足の保護目的から売却に対して極めて厳しい法律制限があり、その所有者でも勝手に売却することが出来ません。農地を売却する場合、宅地など農地以外へ転用できる農地と、農地としてしか利用できない農地では、当然買い手も異なりますし、手続き方法も変わってきます。



農地を買う事が出来るのは農家だけ

農地は用途が「耕作」と決まっており、本来、農家や農業参入者以外は買うことが出来ません。ただしこの制限は、現農地が対象であって、元農地であれば誰にでも売ることができます。

つまり、農地を農地以外にできれば買手は農家や農業参入者に制限されなくなるので、「農地以外にできるかどうか?」が1つの分かれ目になります。

 


農地を農地以外にするための条件

農地から農地以外の土地に変更する転用は、全ての農地で可能ではありません。

許可されるかどうかは、立地基準と一般基準という2つの基準が関係します。

 

「立地基準」とは、農地の区分で許可・不許可を決めるもので、

・農用地区域内農地:原則不許可

・甲種農地:原則不許可

・第1種農地:原則不許可

・第2種農地:周辺の他の土地に代えられなければ許可

・第3種農地:原則許可 となります。

 

立地基準から、第2種農地と第3種農地、以外は 原則不許可で望み薄です。

保有農地がどの区分に該当するか、市区町村役場に 農業委員会に聞くのが一番確実です。

 


「一般基準」とは、農地転用の申請目的が達成できるかどうかを判断するもので、単に農地をつぶして更地にしておきたい、というような安易な目的では認められません。

農地を売買するからには、利用目的の主体が買主にあるため、売買での転用許可申請は、売主と買主の両方が申請者になり、おおむね次のような基準で判断されます。

 

・申請目的を実現できる資力や信用がある

・転用する農地の関係権利者から同意を得ている

・転用許可後速やかに申請目的のために使う見込みがある

・許認可が必要な事業で許認可を受けられる見込みがある

・事業のために必要な協議を行政と行っている

・転用する農地と一体に使用する土地を利用できる見込みがある

・事業の目的に適正な広さの農地である

 

農地価格の安さは、仲介する不動産会社にとっても仲介手数料の安さに繋がり、利益が出にくいとなれば、積極的に取り扱われないのも無理はないといえます。それに加えて、買手が限られ、手間も掛かるともなれば尚更です。

このようなことから、農地を農地のまま売買する場合は、農業関連機関を介して行うか、個人間で売買することが多くなっています。



一方、売却したい農地を転用を前提とすれば話は違います。

農地は一般的に広大な敷地であることが多いため、場所によってはそのような広大な土地を探すことも難しく、その地で行われるマンション開発事業などの需要で求められることがあります。

農地売買では、農地として売るか、農地以外で売るか、によって必要な手続きは異なり、いずれにしても農業委員会から許可を得なくてはなりません許可なくされた売買は無効となる点も注意が必要です。 




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