相続した借地を売却したい

相続した借地を売却したい


土地は、父がAから借地権を設定してB建物を建てて住んでいました。先日父が亡くなり、私が相続をしました。自分は既に住宅はあるので、この建物を売却しようと思っていましたが、 地主が売却は認めないと言って来ました。どうすればいいのでしょうか?

 

民法6121項は、賃借人は、賃貸人の承諾を得なければ、その賃借権を譲り渡し、又は賃借物を転貸することができないとして、賃借権の譲渡及び転貸の制限を謳っています。

 

同条2項では、賃借人が1項の規定に違反して第三者に賃借物の使用又は収益をさせたときは、賃貸人は、契約の解除をすることができるとしています。賃借権の譲渡には賃貸人の承諾が要ります。

借地権も賃借権の一種なので、その譲渡には賃貸人たる地主の許可がいります。たとえ建物は自身の所有物であっても、売却する(譲渡する)には地主の承諾を得る必要があります。

 

勝手に譲渡してしまうと、土地の賃貸借契約を解除されてしまいます。

契約を解除されてしまうと原状回復義務が発生します。

原状回復義務とは、契約時の状態の戻し返さなければいけない義務をいいます。

土地上にある建物を取り壊し、更地にして土地を返す必要が出てきます。

解体費用や廃棄物処理等の工事費は、当然借地人の負担になります。

場合によっては、損害賠償請求される可能性もありので、無断譲渡は注意が必要です。

 

解決方法としては、
まずは話し合うことです。真摯に状況を説明して、売却できた場合には承諾料を支払うことなどを、地主にも利益があるように交渉することも重要です。地主がどうしても承諾をしない時は、借地非訟という制度があり地主の許可が得られなくても適法に借地上の建物だけを譲渡する事ができます。

専門的な手続きになるため弁護士などの専門家への相談、依頼はした方が良いでしょう。

 

借地借家法19条では、借地権者が賃借権の目的である土地の上の建物を第三者に譲渡しようとする場合において、その第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、借地権設定者がその賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。とあります。   専門的な手続きになるため弁護士などの専門家への相談、依頼はした方が良いでしょう。

 

1番いい方法は、借地権を地主に買い取ってもらうことです。地主に借地権ともに建物もすべて売却することです。いずれにせよ、地主との交渉が必須です。

 

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