「お客様本位」の意義:後編~良質な接客は、良質な職場環境から生まれる~

「お客様本位」の意義:後編~良質な接客は、良質な職場環境から生まれる~

前回
の前編では、繁盛店に欠かせない4つのバランスについてお話しました。

▶前回のブログ
「お客様本位」の意義:前編~「外部」顧客 と「内部」顧客~

本日は後編。
「個人店が企業店に勝つためにするべきこととは?」をテーマにお話をしていきます。


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①商品 (ドリンク・料理に関するすべて)  

②割安感 (総合的な価値)

③接客 (元気、明るさ、心配りなど)

④雰囲気 (清潔感・非日常感など)

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前回、個人店は企業店の見よう見まねでは勝つことはできない、というお話をさせて頂きました。
では、4つのバランス項目のうち、個人店がより注力して伸ばしていくべきところはどこなのか。

それは、③の接客」です。

大型店や企業店というのは、団体で行ってもすぐに入店できる席数があったり、大量生産で価格帯が安かったり、大型の駐車場の完備によるアクセス面の良さがあります。それが一番の利用価値です。

それら資本力のある者に勝つことは、接客という「おもてなし力」を上げることが基本になるのです。


■良質な接客は、良質な職場環境から生まれる
「お客様本位」の意義:後編~良質な接客は、良質な職場環境から生まれる~
皆さまご存じの通り、「接客=おもてなし」です。

料理は自宅で自分でできても、誰かに「いらっしゃいませ」と心地よいおもてなしされることは、決して一人では味わうことはできません。
そして事実、外食なさるお客様の多くは、そのお店に料理以外のおもてなしを楽しみに来られています。

以前、居抜きでお店を開店されたお客様からこのようなお話を伺ったことがあります。

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Aさんは、長年の夢だったイタリアンレストランを居抜き物件で開業されました。

当初はとにかくお客様の目に触れるもの全てを少しでも豪華に・・・と、内装から装飾品、料理の盛り付けまでをとことん凝って提供していましたが、お客様からの反応はあまりなく、期待していたものとは違っていたそうです。

そんなある日、常連になってくれた一人のお客様から言われた一言が、

「料理は最高。お店の内装もとてもいい雰囲気だと思う。でも正直、あまり接客面で評価をし難い。」


「店員さんとのやり取りが必要最低限であること。笑顔のイメージが無いため、声を掛けづらいし長居しづらいと思う人もいるかもしれない。」

この感想を聞いたAさんは、営業時間中のホールでの接客の様子をチェックし、自分が気付いたことを伝えました。
そして、逆に働くホールスタッフ側の意見やこうして欲しいという要望などを積極的に取り入れてみたそうです。

すると、どうでしょう。

日に日にイメージが変わるほどホールスタッフが自然と笑うようになり、お店全体の雰囲気が格段に明るく、柔らかくなったそうです。
そして、例の助言をした常連さんにも「接客の雰囲気が見違えた!圧倒的に今の方がいい!」と絶賛してくださったとのことです。
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Aさんは、メニューの料理そのものの味やクオリティーを変えたわけではありません。しかし来店しているお客さんからすると、心地良い、印象の良い接客をしてもらうと、不思議と料理もおいしく感じるようになるものだそうです。

そうして自然と満足度も上がり、ひいては割安感までも感じられるようになります。

①商品,②割安感,④雰囲気は元々の資本力で掛けられるお金の額に応じて、品質に差が出るのは明らかです。
しかし、③の「接客」だけは、決してお金で揃えることのできない、「人」が成し得る業なのです。

だから、まずは個々の接客力を上げる。これが個人店の爆発的な繁盛に結びつく第一歩であることは間違いありません。


では、具体的に接客力を上げる、とはどのようなことなのでしょうか?
オーナーだけが変わればいいものではない、店全体としての「接客力」をどのように他の従業員に伝え、実行することができるのでしょうか?

具体的に、店全体のおもてなし力を高めるには、「チームワーク」 が必要不可欠になります。
チームワークが良くない店は、作業効率が悪く、スタッフ同士の仲や雰囲気も険悪化していきやすくなります。
すると必然的に、互いに自分のことしか考えない働き方になり、それがお客様へのサービスの悪化に繋がります。

では、チームワークを維持するには何が基盤となるでしょうか?

その答えが、前回のブログでお話した、「従業員も、元来自分の幸せや仕事への満足感を欲している「お客様」であるという考え方」の中にあります。


■従業員が「働きたい」と思える環境を提供するのが、経営者の務め
「お客様本位」の意義:後編~良質な接客は、良質な職場環境から生まれる~
ひと昔前まえでは、経営者>従業員という力関係の図式が完全なる公式化している時代があり、ゆえに「従業員を顧客のように扱う」なんていう考えは決して一般的ではありませんでした。言葉の表現は強くなりますが、従業員=弟子ならまだしも、まるで奴隷のように四六時中働かせるような関係性もあったほどです。

しかし時代が変わるに伴い、今は会社経営の流れが完全に変わってきています。

経営者=従業員という図式は、「力関係」ではなく、
「意見のやり取り」という点においては新しい基準になりつつあります。

昨今、従業員不足が慢性化している時代です。
店は星の数ほどあるのに、働き手がいない。
それは、決して働き手となる人の数が減ったわけではありません。
IT技術やオンラインの活用により、働き手自身の選択肢が増えたことが主な要因のひとつです。

そして大事な要因がもうひとつ。
それは、従業員の「働く意力」の継続が難しい職場環境です。

シンプルに表現すると、従業員が働いていて、
「楽しくない」「つらい」「メリットを感じない」
このように感じると、その職を離れてしまう確率が一気に高まります。

先程も述べた通り、今は手元のスマホやパソコンで簡単に職を探せる時代です。
余程の事情がない限り、わざわざしんどい思いをする職場に居続ける理由もないでしょう。

大企業であれば、居て欲しい人材には高い給与を提示します。
しかしこれは資本力のある企業だから成せる業であり、個人店のオーナーがすべてのスタッフにそのような待遇をすることはまず不可能です。

だからこそオーナーであるあなたには、現場の声に耳を傾けることが必要不可欠なのです。
彼らが、何を求め、何に喜びを感じ、モチベーションとなるものは何なのか。

彼らを一番の顧客と捉え、その顧客の要望を汲み取る。
そして、従業員にそこで働く意義やメリットを与えるのです。


リーダーであるあなたが従業員の目線に立ち、率先してそれを行っていることを感じ取った従業員は、少しずつでも必ず変わっていきます。
チームづくりの一環として、仲間を作ることも経営者の大事な仕事です。店の一人一人がお互いを認め合い、分かり合える仲、助け合える仲になって初めて「チームワーク」 が生まれるのです。

そして、生まれたチームワークでお客様に店全体でのおもてなしができるようになる頃、個々の苦手を仲間同士でフォローし合える環境もできているはずです。接客が得意な人がいれば、そうでない人もいる。そこを丁寧にフォローし合えるかが、従業員の満足度、お客様の満足度に直結して店全体の総合価値に繋がるのです。


■「り」を取ると分かる接客の心得
「お客様本位」の意義:後編~良質な接客は、良質な職場環境から生まれる~
先程お話に出てきたレストランオーナーのAさんは、以前に本で読んだこのような言葉をスタッフに伝えているとおっしゃっていました。
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飲食店での接客において大事な「気配り」と「心配り」が分からなくなったときは、「り」を取るとシンプルに分かる。
お客さんの「気配」を感じることができること。お客さんの「心配」をしてあげられること。
これが接客サービスにおける一番大事な基盤であり、おもてなし業の意味そのものでもある。

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個人店というのは、企業店のようなチェーン展開で日本中に名を知らしめることはできません。
しかし、“世界にここだけにしかない店” というオンリーワンの価値がそこにはあり、お店もそれを主張する気持ちで経営をし続けなければなりません。

オンリーワンの価値がある店には、その価値を分かるお客さんが集まってきます。
そして彼らにとって、そこでお酒を飲んだり、食事をしたりすること、そこにいること自体が「ステータス」となるお店作りを続けることが、最大の接客サービスといえるのかもしれません。


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